沖縄のサンダル「島ぞうり」の高いシェアを誇るシューズ販売会社「沖縄月星(つきほし)」(沖縄県豊見城〈とみぐすく〉市)の事務所兼倉庫が19日に全焼し、出荷前の島ぞうり全5万足が焼失した。再建には資金調達の壁が立ちはだかる。それでも会社は「流通には絶対に穴をあけない」と、動き始めた。
火事から2日後の21日。現場では従業員が敷地内にテントを張り、仮設事務所で打ち合わせをしていた。建物は鉄骨だけが残る危険な状態で立ち入りができず、システムや顧客データなどの状況も確認できていない。
火災は19日午前7時ごろに発生し、12時間以上経った午後7時半ごろに鎮火。けが人はいなかったが、建物約1300平方メートルが全焼し、倉庫内にあった島ぞうり約5万足も焼けた。
与那原良光社長(61)によると、同社の島ぞうりの県内シェアは約7割を占め、県外の幼稚園や小学校にも販売している。火災で手元の商品を全て失ったが、同社はインドネシアで製造された島ぞうりを扱っており、9月には約10万足が届く。市の協力を得て、仮倉庫の確保にも見通しがついた。
与那原社長は「意地でも9月には再起する。お客様に迷惑はかけない」と力を込める。倉庫も同じ場所に再建するつもりだが、こちらは見通しがまったく立たない。「何かいい資金調達の方法がないものか」と思案している。(藤原慎一)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル